脱!摂食障害カウンセラーの三上さくらです。
私は自分のことが大嫌いでした。摂食障害になるずっと前から。
顔面コンプレックスで厚化粧をしたり、付けまつ毛をしたり、エクステをして顔周りを隠したり。また体型コンプレックスでスタイルを気にしていたので、過酷なダイエットから拒食症になったり、食べると太るのが怖くなって嘔吐したり。食べずに運動をすることから抜け出せなくなったり。
自分の嫌な部分ばかりにフォーカスして、ダメなところを見つけて落ち込んでいました。
もっと頑張れば綺麗になれる!痩せたら可愛くなれる!もっと頑張れ!負けるな!と叱咤激励だと思って頑張っていました。その結果が摂食障害です。
この記事は、ありのままの自分が好きになれない方のために書きました。どうか気付きがありますように。
はじめに
2013年に大ヒットしたディズニー映画『アナと雪の女王』を観たことがありますか?
主題歌「レット・イット・ゴー」の日本語版「ありのままで」というフレーズが翌年の流行語大賞にノミネートされるほど話題になりました。
摂食障害を克服した今、克服できた最大のきっかけはありのままの自分を受け入れたことだと思います。好きになったとは言いません。自分の存在を認めたのです。
歪んだ自己暗示
昔の私はコンプレックスの塊でした。
自分に自信がない。
こんな私が積極的になってはダメだ。
私は太っているから全てのことが上手くいかない。
と自己暗示をかけていました。
それは呪いの呪文として、私を蝕んでいきました。
痩せたらきっと何かが変わるはず。
まるで着ぐるみを脱ぎ捨てるように、肉の呪縛から脱皮したい!という強い変身願望が、ありのままの自分を全否定していました。
今は太っているからダメな状態であり、本当の私の姿はこんな醜くない。だからもっと痩せなければいけない。そもそも食べなければ太らない。
これが拒食症のはじまりでした。
しばらく豆腐とカロリーゼロ飲料だけの生活でした。ついに我慢しきれず食べ物を口にしました。美味しいと感じるよりも、罪悪感でいっぱいになりました。でも止まらない。
これが過食症のはじまり。
そして、痩せる信仰に汚染されていった私は、太ることが怖くて吐くことを覚えました。食べたら2時間以内に胃からものを無くすことに必死になっていました。
これが過食嘔吐のはじまりです。
この記事を読んでいるということは、あなた自身、もしくはあなたの大切な人が摂食障害なのだと思います。自分の思い込みにとらわれて、歪んだ自己暗示をかけていませんか?
ネガティブ思考の蓄積
もっと可愛く生まれたかった…
もっとスタイルが良かったら…
もっと細くて綺麗だったら…
きっと違う人生だったはずなのに…
昔の私は、こんなことばかり嘆いていました。
思春期になって、
男子にいじめられて、
体型を馬鹿にされて、
悔しくて許せなくて。
摂食障害になって、
普通の食生活ができなくて、
お金もなくて、時間もなくて、
恋人もいなくて。
不安神経症が悪化して、うつ病になって、
こんな私の人生が良くなるはずない。
わたしなんて生きている意味がない。
もう消えたい。死んでしまいたい。
そんなことばかり考えていました。
このようにしてネガティブな思考ばかりを蓄積させてしまったのです。
私が摂食障害を克服したメソッドの大前提は、思考は現実化すること。
・ダメな自分探しをしている
・理想と違う自分を否定している
・摂食障害であることを許せない
という時点で、摂食障害から抜け出すことはできません。当時の私は、そのことを分かっていなかったのです。
※思考が現実するお話はコチラを読んでみてください↓↓↓
コンプレックスの塊で、視野が狭く、誰かと比較する癖がある。どこか一点でも自分より劣っている人を見つけては安心して。他の人には嫉妬する。
十人十色なんて言葉は信じない。誰が見ても羨む人になりたい。全員が認める美しい外見が欲しい。
どうして恵まれた容姿の人が存在するのか。この世は平等じゃない。ずるい。悔しい。妬ましい。そして、こんなことを考えている自分は醜い。
自分を罵倒し続けました。自分を責めていれば、誰からも非難されずに済むからです。誰かに指摘されるのが怖くて、自分で自分を貶めていたのです。
あなたはどうですか?
ダメな自分探しをしていませんか?
理想と違う自分を否定していませんか?
摂食障害になってしまった自分を許していますか?
自分に優しくする方法
摂食障害中は、自制できない己に対して怒りや悲しみでいっぱいになります。どうしてこんなに意志が弱いのか?と自己嫌悪に陥ります。さらに過食嘔吐で食べ物を粗末にしている自分が許せませんでした。
精神的にも不安定で、死にたいほどの嫌悪感に苦しみました。
もう気が狂いそう…
いや、もう十分狂ってる…
こんな状態の私が、なぜ変われたのか?
それは、とても簡単なことだったのです。
八方美人でいい子ちゃんの私は、他人に嫌われることを恐れていました。だから他人にはとても優しく接します。
どんなに馬鹿だと思っても「仕方ないよ」と声をかけます。どんなに愚かな行為だと思っても「終わったことだよ」と励まします。
あれ???
なんで私、こんなに優しいんだろう?
なぜ、自分にだけ厳しく接するのだろう?
そして、
自分にも友達のように接してみよう!
と思ったのです。
過食してしまった時も「仕方ないよ」と声をかける。
嘔吐中は「誰も責めないから大丈夫だよ」と自分を励まし続ける。
嘔吐後は「今日はダメでも、明日は大丈夫かもしれないよ」と優しく接してあげる。
二重人格のようですが、この方法を知ってからとっても気持ちが楽になりました。
今この記事を読んでいる方へ。
あなたは自分に厳しい人だと思います。でも、他の人には優しい言葉をかけてあげることができるはずです。自分の中の別の自分に、どんな言葉をかけてあげたら楽になると思いますか?
できていることを探す
摂食障害になる方は、基本が頑張り屋さんです。現状に満足することなく、もっと!もっと!と常に上を目指して頑張っています。私もそうでした。
でも、ある日全てを放棄したくなるくらい疲れてしまったのです。その時、自暴自棄になって全てを失いそうになったのですが…「もういいじゃん」と思ったのです。
もう十分頑張ってるじゃん。
誰にも認められないなら、
自分が認めてあげればいいじゃん!
摂食障害だけど自炊してて偉いじゃん!
仕事だって、家事だって頑張ってるじゃん!
摂食障害を治すために努力してるじゃん!
嘔吐後にトイレ掃除してるじゃん!
過食しない時の食事は気を付けてるじゃん!
全てがダメじゃないじゃん!
100%じゃなくたっていいじゃん!
完璧じゃなくたっていいじゃん!
できない自分探しより、できていることを探したほうがポジティブになれることが分かりました。
自分を認めてあげる
摂食障害中は、基本的にネガティブ状態です。うつ病のように、物凄くポジティブな状態もやってきますが、だいたいがネガティブです。
「ネガティブじゃダメだ!」と思えば思うほど、ネガティブな感情が自分の潜在意識に刷り込まれていく。この悪循環から抜け出さない限り摂食障害思考に振り回されて、過食嘔吐を繰り返してしまいます。
ネガティブにならないことが一番いいことなのですが、なかなか難しいですよね。
そこで、まずやってほしいことが
「私、ネガティブなんだね〜」
「そんなこと考えてるんだね〜」
「他にも考えていることある?」
と、自分自身と対話してみてください。
ネガティブな感情を見つけて、認めてあげて、優しく接してあげる。
こんなことを考えている自分が恐ろしい…
人としてあり得ない!こんな醜い自分が嫌い!
と思うかもしれませんが、否定しないで肯定してあげてください。摂食障害も見て見ぬふりをしていると、どんどん抜け出せなくなります。
「私、摂食障害なんだよね〜」
「いつも痩せること、食べること、体重・体型のことばかり考えてるんだね〜」
「他にもコンプレックスはある?」
と自問自答してみてください。
どんな感情が出てきても、認めてあげて、優しく接してあげる。
今、ありのままの自分は否定されて凹んでいる状態です。少しずつ癒してあげてください。この積み重ねができるようになると、思考が変わってきます。すると、現実も動き出してきます。
さいごに
自分を大切にしない人は、誰からも大切にされない。
自分を愛していない人は、誰からも愛されない。
あらゆる本で言われているので、聞いたことがあるフレーズだと思います。
だけど、自分には当てはめられない。
摂食障害克服の道のりで、私はこのことを実感しました。
潜在意識には主語がありません。
だから、自分を愛することが他人から愛される秘訣なんです。
自分を大切にすることを知って、驚異的なスピードで改善しました。
強烈なコンプレックスのある私は、自分が大嫌いでした。大切にする必要がないし、愛される資格もない!と思い込んでいました。
でもね、ありのままの自分を受入れない限り摂食障害思考とは闘えません。
なぜなら、あなたの弱っている健全思考をフォローするのは、ありのままの自分のほうだからです。
※摂食障害思考と健全思考のお話はコチラを読んでみてください↓↓↓
誰に認められたいですか?
誰が認めてくれたら、摂食障害が治りますか?
誰が愛してくれたら、過食嘔吐が止まりますか?
まずは、自分で自分を認めてください。ありのままの自分を愛してください。
ちゃんと治りますから。