脱!摂食障害カウンセラーの三上さくらです。
この記事は、
・今の自分のままではダメだ!
・もっと痩せないとダメだ!
・痩せたら彼氏ができるはず!
と思っている方に向けて書きました。正直、この世に「異性」という概念がなかったら、摂食障害になる人は非常に少ないと思います。
内容としては、
自分に自信がない…
生きていることが恥ずかしい…
と思っていた私が、なぜ変わることができたのか?
また、摂食障害よりも深いところに隠れていたリアルな本音を一切隠さずに書き出しました。
どうか、この記事を読んだ方のヒントになりますように。
はじめに
私は15年間、摂食障害(主に過食嘔吐)に悩んでいました。摂食障害さえ治れば、バラ色の人生が待っていると信じていました。
そして、思い出したのです。なぜ、私が摂食障害になってしまったのかを。
痩せたら、可愛くなれるという幻想。
痩せたら、彼氏ができるという妄想。
強烈なコンプレックスを持っていた私は、顔も嫌い、体型も嫌い、何もかも嫌い、全て嫌い。自分の好きなところを答えられない。 ダメな自分ばかりを責めてしまう。
なんで可愛く生まれなかったんだろう…
もっと細くてスタイルが良かったら…
もっと可愛くて細くて綺麗だったら…
違う人生だったはずなのに…
毎日毎日こんなことばかり嘆いていました。
思春期になって、男子にいじめられて、女性としての自信がなくなり、ますます自分嫌いになっていきます。
うつ病になって、可愛くない自分なんて生きている意味がない。こんな私の人生が良くなるはずない。もう死んでしまいたい。
そんなことばかり考えているネガティブな自分も大嫌いでした。
子供の頃は、明るく元気が良ければ可愛い子認定されたけど。中学生になると、見た目が可愛い子ばかりが彼氏を作る。性格最悪なくせに…と嫉妬ばかり。
当時の私は、よく分からないマイナス思考から抜け出す術を知りません。ダメな自分を責め続け、今の自分で満足してはいけない。もっと凄く、もっと強く、もっと努力し、もっと、もっと…と自分を追い詰めていきました。この「もっと」の先のことを考えることもありませんでした。
やっぱり自分が嫌い
当時の私は視野が狭く、誰かと比較する癖がありました。どこか一点でも自分より劣っている人を見つけては安心して。他の人には嫉妬する。十人十色なんて言葉は信じない。誰が見ても羨む人になりたい。全員が認める美しい外見が欲しい。
どうして恵まれた容姿の人が存在するのか。この世は平等じゃない。ずるい。悔しい。妬ましい。
このイライラを解消してくれるのは過食しかない。でも、これ以上太るのが怖いから吐く。過食嘔吐を正当化しながら、時間もお金も無駄にしている自分は最低だ!と自分を罵倒していました。
自分の中にある普通の部分というか、健康的な思考は「このままでは本当に自殺してしまうかもしれない。どうしてこんなことを考えてるの?もう許してよ!」と叫んでいたのだと思います。
自分を許すとは
自分を許してあげることは、ありのままの自分を受け入れてあげること。自分を受け入れるとは、どんな自分も認めるということ。
自分のことを認めてあげないと、いつまで経っても他人の視線を気にして生きることになります。
それはなぜか?
他人は写し鏡だからです。
脳は「主語」を認識できないということをご存知でしょうか?
つまり「自分が嫌い、自分の見た目を認めない、自分の歪んだ思考が許せない」ということは、他人にも同じことを言っていることになります。
そんなことない!私は自分のことだけ!他人に嫌われたくないし、嫌いじゃない。他人の見た目や思考を見下していない!責めているわけではない!と思っているかもしれません。そもそも他人のことなんて考えたこともない!と驚いていますか?
しかしながら、潜在意識はそのようには認識していないのです。
あなたが認識できていること、考えていること、思っていることは、全て顕在意識なのです。
自分を許すことができなければ、他人に対しても許すことができない。だから自分にとって都合の悪い人がいたり、意地悪をする人が登場したりします。自分のことを信じていないので、誰も信用できません。その結果、他人からどう思われているか?ということばかり気になって、自分を見失っていきます。
そんな人生って楽しくありません。
「どんな私も私なんだ!」と受け入れてください。言葉では簡単ですが、実際に受け入れるとは難しいかもしれません。さらに、本当の自分を知って認めることは、今まで自分が隠していた部分をさらけ出すことになります。恥ずかしいことだったり、人には言えないことだったり、本音と向き合わなければなりません。
自分のことを認められるようになると、自分に自信が出てきます。そして「摂食障害を治す!」と決めた自分を信じられるようになります。すると、摂食障害は改善していくのです。
本音を探してみる
自分の本音を100%理解している人は、この世に存在しません。
なぜなら、普段認識している顕在意識は全体の5%しかないから。残りの95%の潜在意識は、認識できていません。
顕在意識と潜在意識の詳しいお話は、コチラの記事を読んでください↓↓↓
この95%の部分に、
・痩せたい
・綺麗になりたい
・素敵な人になりたい
という思考がたくさん蓄積していたのだと思います。
摂食障害だった頃の私には、
・痩せるために食べたら吐く
・痩せていないと綺麗ではない
・痩せなければ素敵な人にはなれない
という思考(ビリーフ)に汚染されていました。
今の自分ではなく、痩せて新しく生まれ変わった自分でなければ、全てのことが良い方向に行かない!と勝手に思い込んでいたのです。
この思い込みが、正しいか、正しくないか、そもそも検討したことがありませんでした。勝手な思い込みでマイルールが追加されて、それを守ろうと必死になってしまうのです。
そんな思い込みに気付くために「そもそも論」を考えるようになりました。そして、その答えを導くために「5回のなぜ?」を使っていました。
「そもそもなぜ痩せたいの?」
綺麗になりたいから。
「なぜ綺麗になりたいの?」
男子にバカにされて悔しかったから。
「なぜ悔しかったの?」
本当はもっと男子と仲良くしたかった。
「なぜ仲良くしたかったの?」
漫画のような素敵な恋をしてみたかったから。
「なぜ恋をしてみたかったの?」
周りの友達がみんな彼氏持ちだったから。
このように、自分の思い込みに関して「そもそも」からスタートします。そして、その答えを次の質問に取り入れていきます。
さて、当時の私は彼氏持ちの友達に嫉妬していたのです。
「痩せたい」というのは表面上で、本当は「彼氏が欲しい」という本音が隠れていました。
自分を支配している感情を知るということは原因が分かるということ。
痩せたら無条件に彼氏ができるわけではありません。
痩せても彼氏ができないこともあるし、
痩せなくても彼氏ができるかもしれない。
無理に痩せる必要があるのか?
と、これまでとは違った視点で物事を考えられるようになりました。
今の現実を創り出している原因は、全て自分の中にあります。他人の克服法を無闇に探すより、自分の中から見つけてみてください。
すぐではないかもしれませんが、ちゃんと見つかります。
自分の執着に気付く
「本当は彼氏がほしかったのか〜」と気付くことができたのですが、実は私は男性恐怖症でした。中学時代にクラスメイトの男子から陰湿なイジメを受けたからです。
性別が「男」というだけで、同じ空間にいるだけでイライラする。何かよく分からないけどムカつく。死ねばいいのに…と男性に対しての嫌悪感が半端ありません。私の青春時代をダメにした男子が許せなくて、男子最低!と思っていました。いつか私を馬鹿にした「男」という生き物に復讐しようと企んでいました。
中学三年生から大学一年生までの私は「女」としての自信が1%もありませんでした。
それは全て見た目の問題だと思っていました。
なぜなら過食嘔吐するようになって、どんどん体重が減ってきたら、男子からチヤホヤされるようになったからです。これがモテ期かもしれない!嬉しくて楽しくて、人生楽勝!人生バラ色!私をバカにしてきた男どもに見せてやりたい!と思っていました。男性恐怖症は何処かへ吹き飛んでいました。
特定の人とお付き合いするなんてあり得ない。もっと素敵な人、もっと頭のいい人、もっとお金持ちの人に出会いたい!痩せた私が声をかければ、きっと振り向くはず。私の虜にしてやる。私を忘れられなくなって、傷つけばいいんだ。私は男という生き物に散々けなされたんだから。いい気味だ。
このように男性をバカにして、見下して生きていました。当時の私は、自分が傷つけられた分、異性を傷つけようと躍起になっていたのです。そして、派手な格好をして、勝負下着を付けて、夜の街を徘徊していました。
もちろん優しく接してくれる人もいました。話していると癒される人もいました。この人ともっと一緒にいたい。そう思える方もいました。
それでも私の深いところが、どうしても男を許せないのです。男なんて女の見た目しか興味がない。男は汚い。ズルい。クズだ。大嫌い。信じられない。許せない。許さない。許してなるものか。
脳は「主語」を認識できない。
異性に対して思っていることは、自分に対しても同じです。こんなことばかり考えていたら、自分を信じられるはずがありません。許せないし、見た目でしか判断ができない人間になってしまったのです。
だから痩せる必要がある。男を誑かすために見た目が細いほうがいい。痩せるためには吐く。それは仕方がないこと。そんなマイルールに縛られて、摂食障害は悪化していきます。
「男」に執着していると気が付いたのは、はじめての過食嘔吐から7年後。
自分の生活が異常かもしれない…
自分の考え方は変だ…
と認識してからのことでした。
執着から離れる
大嫌い!という感情は、潜在意識に深く残ります。
潜在意識には、良い悪いという判断がありません。大嫌いも大好きも「感情が動いた」だけのこと。自分にとって良いことか悪いことかは関係なく、ただ単純に思考が蓄積されていきます。
人は一日6万回も思考しているので、強い言葉は潜在意識の中で何度も何度も登場しているのです。まずは、この思考が出てこないようにしなければなりません。
やり方としては、思っていることをひたすらノートに書き出す。
その言葉を見て、そんなことを考えていたんだ!と認める。
その言葉がどんな酷い言葉でも受け入れる。
そんな愚かなことを考えている自分を許してあげる。
心の底からこれらができると、繰り返していた思考が止まります。
次に、どんな現実を望むか決めます。
私の場合、摂食障害になってまで痩せることを望んだのではなく、彼氏持ちになりたい。一緒にいても背伸びしなくていい人がいい。二人でいると安心できる人がいい。そんな人と出会いたい!と思っていました。
そして、望んだ現実を創り出すためにどんな思考を増やせばいいのか?ということを考えるようになりました。
渡しの場合、
安心できる人と出会えて幸せ!
今のままの私を受け入れてくれて嬉しい!
お互いに尊敬しあえる人で良かった!
どんな時も冷静な人でありがとう!
という思考を貯めていきました。毎日、このフレーズを呪文のように唱えていたのです。
そして私は、今の主人と出会いました。
摂食障害8年目。まだまだ毎日の過食嘔吐がやめらない。彼と食事をしても、分かれてから過食三昧。一緒に暮らすようになっても、隠れて過食三昧。
でも、確かに彼氏はできました。拒食期より15kg以上体重があったけど、彼氏はできた。なんだ、細いとか関係ないじゃん!とようやく気付くのです。
さいごに
今のままではダメだから変わりたい!という歪んだ変身願望は、脳と心が疲弊して、正常な判断ができなくなっています。そして、変身願望が強ければ強いほど、摂食障害になりやすく、抜け出せなくなります。
どうか異性に支配されませんように。
他人の視線に振り回されませんように。
立ち止まって、考えてみてください。
どうして、見た目を変えたいと思ったのですか?
どうして、摂食障害になってしまったのですか?