なりたい姿をイメージすることが摂食障害改善への近道になる

脱!摂食障害カウンセラーの三上さくらです。

 

この記事は、摂食障害から抜け出せなくて悶々としている方が、少しでも未来に目を向けて進めるように。そんな願いを込めて書きました。

ペンとノートを用意して、読んでみてください。

はじめに

「あなたの夢を教えてください。」

 

これは、私がクライアントさんに必ずお尋ねするフレーズです。

 

この記事を読んでいる方も、是非ノートに書き出してみてください。

今の状態は関係なく、完全に想像で構いません。単語だけでも構いません。頭の中にイメージしたことがあると思います。それをノートに言語化しておくことは、とても大切です。

ゴールを決める

ノートに書き出せましたか?

 

ひとつだけでしたか?
たくさん書きましたか?
どんなことが出てきましたか?

 

「あなたの夢を教えてください。」

 

私のクライアントさんの多くが、

・普通の食生活を送りたい
・食の支配から解放されたい
・摂食障害を治したい

というような内容を書きます。

そうですよね。摂食障害って、過食も拒食も「食との関係性」が崩れているので、普通の食事をすることが理想ですよね。もちろん治したいに決まってる!

 

さて、あなたに書き出してもらった中で「食」に関わること以外の夢はありましたか?

 

もしなかった場合、普通の食事をするのは大前提で、追加してみてください。食との関係性を正常にするのは当たり前。普通の食生活を得た状態で、どんな夢を叶えたいのか?

 

「食以外の夢も書き出せたよ〜」という方へ

下記は私のクライアントさんが教えてくれた夢の一部です。

・お休みの日はしっかり休む
・心穏やかに生き生きと暮らす
・自分の好きな仕事をやる
・海外に住みたい
・結婚して幸せな家庭を持つ
・資格試験に合格する

もしこのような夢を書き出したという場合、この夢に対して深掘り作業してみてください。

深掘り作業とは、より鮮明にイメージすること。細部まで想像を膨らませます。夢を叶えた状態の自分の姿が浮かぶくらい。背景や身に付けている洋服、アクセサリー、香水、化粧品もイメージする。誰と一緒にいるのか、どこにいるのか、どんなことを話しているのか、そのようなことをイメージしていきます。

これらの夢が具体的になればなるほど、摂食障害は改善します。

※この記事の一番下に、それぞれの夢の深掘り作業を書いておきますので、ご参考までに。

道のりを考える

夢が漠然としていると、なかなか叶いません。そのかわり、具体的なイメージがあればあるほど叶いやすくなります。

 

摂食障害行動って、頭の中で完全にイメージできませんか?

過食嘔吐の場合、

「あそこのスーパーで半額になった食材を買おう」
「家に帰って先に家事を済ませてから、思う存分過食しよう」
「嘔吐して疲れたらすぐに眠くなるから準備しておこう」

などのように、明確に行動をイメージできませんか?

頭の中のイメージを実行して、自分で現実化させていますよね。

 

より具体的にイメージすればするほど、脳は辻褄を合わせるために「行動させて、イメージを現実化させる」ということです。

 

過食嘔吐の場合はネガティブな現実化でしたが、この現実化する仕組みをプラスのほうに使うことができたら…どうなると思いますか?

 

例えば、上記に出てきた夢の中で、

・お休みの日はしっかり休む

というのを考えてみます。

 

摂食障害になる方は頑張り屋さんが多いので、きっとお疲れだと思います。

私もそうでしたが、休日は朝から過食がスタートして、暗くなるまでエンドレスで過食嘔吐が続く。お天気が良かったのに、出かけたのは過食用食材を購入する時だけだった…という休日をずっと過ごしてきました。

そんな日は、いつも頭の中で「また残念な休日になってしまった」と思っている。だから、過食嘔吐ばかりの残念な休日という現実が起こっています。

 

まず「しっかり休む」とは、どのようなことでしょうか?

一日中ベッドに横たわっていることが休むことですか?
家事を全て終わらせて、好きな音楽を聞くことですか?
ずっと観たかった映画をレンタルして観ることですか?
図書館に行って本を借りて、カフェで読み耽ることですか?

人によって「しっかり休む」のイメージが違います。

 

「一日中ベッドでダラダラしてしまった…」

とネガティブになる人もいれば、

「ずっと寝てられるなんて超贅沢なことだ!」

と喜ぶ人もいます。

 

自分にとっての「しっかり休む」の定義を決めておいてください。そして、実際にその定義通りの行動ができた時は、「ちゃんと現実化した!しっかり休んだ!ずっとやりたかったことを実践した!休めて嬉しい!」と認めることが大切です。

 

たまに「そんなの当たり前じゃん」という方がいらっしゃるのですが(笑)

 

例えば「カレーが食べたい!」と思った場合。

多くの人は、

・カレー屋さんに行く
・カレーを作るための材料を買う
・コンビニでカレーを選ぶ

などの行動を起こします。これはカレーを食べる現実を創り出しているということ。カレーを食べるために行動して、カレーを食べる現実があらわれた!と解釈します。

分かりますか?

 

あと、もっと大切なことが言葉に出すことです。

言葉の力

「カレーが食べたい!」とどんなに情熱を持って、心の中で切実に願ったとしても、「カレーをください」と注文しない限りカレーは出てきません。

分かりますか?

 

どんなに強くイメージしていても、アウトプットした言葉が違うと、イメージと違う現実が出てきます。

 

つまり、どんなに素敵な夢をイメージしても、

「でもやっぱりダメだ」
「私なんて幸せになれない」
「夢なんて叶うわけがない」

という言葉をアウトプットしている場合、イメージと違う現実になります。

普段、どのような言葉を使っていますか?
無意識にネガティブなことばかり言っていませんか?

無理にポジティブになれ!とか、もっと素敵なことを考えろ!とか、そういうことではありません。もっと自分が使っている言葉を意識してほしいのです。そして、その言葉に責任を持ってほしいと思います。

理想と現実

理想と現実のギャップがあればあるほど、人はストレスを感じます。

より具体的な理想をイメージすると、今の自分とかけ離れている…と落ち込んでしまう時があります。調子が悪い時はネガティブになるし、摂食障害行動が起こると、やっぱりダメだった…と自分で自分をダメな方に洗脳してしまいます。

そうなると、どんどん自暴自棄になって、摂食障害行動が悪化した経験はありませんか?

 

ネガティブになることが洗脳できるとしたら、ポジティブな方も洗脳できると思いませんか?

 

ポジティブな洗脳は「自分の夢が叶った!嬉しい!」という言葉をアウトプットするしかありません。そのためにアファメーションをオススメしています。

アファメーションの詳しいやり方は、コチラの記事を読んでみてください。

頭では分かっているのに、なぜ過食嘔吐が止まらないの?

2つの大切なこと

夢(なりたい姿)は一つではありません。

未来は切り取られた1枚の写真ではありません。常に流れています。365日、毎日違う自分が存在しています。

平日の夜と休日の朝では、きっと違いがありますよね。どんなライフスタイルを送っているのか?というところまでイメージを広げていきます。

②今となりたい姿の間には、いろんな姿が存在します。

今の状態から、突然なりたい姿に変身はできません。

摂食障害になる方は極端思考なので、理想の自分に今すぐなれると勘違いをしています。たまに「思考が現実化しないじゃないか!」と不平不満をぶつける方もいらっしゃるのですが…

「思考が現実化しない」とアウトプットしている時点で、

ちゃんと不平不満がある現実だよね〜
それじゃポジティブな現実化はしないよね〜

ということに気付いてほしいと思います。

さいごに

普通の食事をするのは大前提で、どんな夢(なりたい姿)がありますか?ということを考えてもらいました。

実を言うと、理想の姿の自分は、摂食障害ではない!という前提でイメージすることが大切なんです。

 

摂食障害で苦しんでいる多くの方が、摂食障害が治らなければ何も夢が叶わない…と思い込んでいます。

 

そんなことはありません!!!

 

私が摂食障害12年目。過食嘔吐全盛期の頃。うつ病と不安神経症も悪化していました。

当時、埼玉から渋谷まで片道一時間半ほどの電車通勤をしていた私は、漠然と「自転車で通勤したい」と思いました。

電車に乗りたくない。人混みに行きたくない。死んでしまいたい。でも、仕事をしないとお金が稼げない。私はこんなに辛いのに、頑張って出勤しているの!という悲劇のヒロイン状態だったのですが(笑)

 

「自転車で通勤したい」

という夢に対して、

「そんな都合のいいところに就職なんてできない」
「そもそも自転車なんて持ってないじゃん」
「摂食障害のままじゃ出来っこない」

というネガティブなイメージもありましたよ。

でも、そこで思考停止しないで情報収集をしました。健康的なイメージで自転車通勤を選んでいる人が「ツーキニスト」と呼ばれること、ロードバイクだと軽くて早く走れること、冬でも汗びっしょりになること。そんなことを知りました。

どんな自転車に乗ってるのかな?
どのくらいの距離なら走れるのかな?
どんなウェアを着ればいいのかな?
運動するからダイエットにもなるかな?
汗をかいたら仕事にならないかな?
帰りはヘロヘロになってないかな?

など、深掘り作業をはじめました。

そこから三ヶ月後、私は仕事を辞めました。過食嘔吐も悪化して、ますます自暴自棄になって、外に出たら誰かに責められると思っていたのです。

しばらく仕事のことは考えられませんでした。自分は社会復帰できるのかも不安でした。そんな自分を責めて、闇の中を彷徨っていました。

それでも、思考が現実化する仕組みを知っていたので日々自問自答していました。仕事をしていないので、時間は有り余っている。でも、やることがない。何もしないと無意識にネガティブになって、過食嘔吐だけの生活になってしまう。

そこから抜け出したい一心で本を読んでいました。図書館は安全だと思っていたので、一週間10冊ペースで本を読むようになって。漫画のレンタルもできるようになって。そして『弱虫ペダル』という漫画に出会います。


この漫画を読んでから、より具体的な自転車通勤の妄想をしました。呼吸や汗が流れることまで。筋肉の使い方や走った後の達成感、帰宅してお風呂に入る爽快感、走った後のビールを飲むイメージもしました。

そして三ヶ月後、私は自宅から10kmのところでウェブディレクターの職を見つけました。

まだ自転車通勤はしていません。バスで通える範囲だったので、道を覚えました。そして、さらにその半年後、私はロードバイクを購入しました。

 

「自転車で通勤したい」

と漠然と思ってから約一年が経っていました。過食嘔吐も完全にはなくなっていませんでしたが、私は自転車通勤する夢を叶えることができたのです。

 

仕事すら諦めていた。摂食障害も悪化していた。それでも自転車で通勤している自分をイメージして、手に入れた気がしました。この手応えがあったからこそ、私は「思考は現実化する」ということを信じるようになりました。どんなことでも自分の思考次第だ!と強く感じました。

 

自転車通勤をする夢を叶えた私は、次に

「起業したい」

と漠然と思ったのです。

 

そして、それから三年が経ち、私は摂食障害専門カウンセラーとして仕事をしています。

「起業したい」と思った時点では、まだ摂食障害です。どんなことで起業するか想像も付きませんでした。ひたすら深掘り作業をして、具体的なイメージを持ち、アファメーションを続けてきました。

 

ちなみに、カウンセラーとして起業した私は、次に

「本が書きたい」

と漠然と思いました。

今度は半年で現実化しました。

私が特別ではありません。信じるか信じないかは、あなた次第です。

 

※【参考】夢の深掘り作業

・心穏やかに生き生きと暮らす

心が穏やかな状態とは、どんな状態ですか?

摂食障害に限らず、穏やかな生活を望む人は多いと思います。私の場合、心が穏やかな状態とはスローライフを送っているイメージでした。スローライフとは、田舎暮らしという意味ではなく、当たり前のことを丁寧に行うイメージです。

また、生き生きと暮らすとは?これは自分の好きなことをやりながら、健康的な生活を送るイメージです。

朝起きたら、白湯を飲む
コーヒーを淹れる
お弁当を作る
簡単な掃除をする
ちゃんと大便をする
化粧をする
時間に余裕を持って仕事へ行く
メールチェックをする
仕事のスケジューリングをする
資料を作成する
職場の仲間と談笑しながらランチタイムを過ごす
紅茶を飲む
トイレでアファメーションをする
簡単なストレッチを行う(パソコンを使う仕事なので)
定時に帰る
いつもと違う道を使ってみる
本屋で立ち読み
夕食を自炊
洗濯をする
主人を待ちながら執筆活動
夫婦でご飯を食べる
二人で食器を洗って拭く
食後のカフェインレスコーヒーを飲む(お酒の時が多いかも)
お風呂に入る
髪にオイルを付ける
歯を磨く
ヨガをする
ベッドに入る
日記を付ける
夜のアファメーションをする
「おやすみなさい」を言って眠る

これは平日バージョン。これらの行動をトータルして、心が穏やかで自分らしく生き生きと暮らしているイメージです。実際はもっと細かく想像していますが、書き出すのが面倒だったので簡略化してあります(笑)

家事を丁寧にやる

と一言で表現するのではなく、細部までイメージして、どのくらいまで言語化できるか?挑戦してみてください。

・自分の好きな仕事をやる

まず「自分の好きなこと」を自覚していますか?

多くの方が自分の好みについて鈍感です。そして、仕事をどのように捉えているか?ということも大切です。仕事は生活費を稼ぐために必要だから。仕方なく働く。と思っている方もいます。

「自分の好きな仕事をやるとは◯◯である」

◯の部分にどんな言葉が入るか書き出してみてください。そして、それを実現するためにやることリストを作成してください。リストは細ければ細かいほど現実化しやすいので、好きな仕事をしているゴールに向かって、最低100個の道のりを書き出す。それが想像できるくらい真剣に考えれば、自分がどんなことをしたらいいか見えてくると思います。

・海外に住みたい

どの国に?どんな家に?

漠然としてるとしたら、より具体的にしてみてください。私も海外への憧れが強かったのですが、それは日本が嫌いだったから。日本のことを悪く思って、日本の政治に文句を言ったり、教育制度に不満を言ったり、日本人特有の物言いが大嫌いでした。

海外移住をする方は、はじめに日本に対して思っていることを書き出してみてください。

それから実際に住みたい国のライフスタイルを明確にしていきます。外国人と結婚して海外移住を狙っている方がいるとしたら、また別のお話なんですが。他人に頼っていると、夢は叶いません。

・結婚して幸せな家庭を持つ

幸せとはどんなことですか?幸せじゃない家庭を望む人はいません。

もし「結婚しないと幸せになれない」と思っているとしたら、幸せにはなれませんよね。あと、結婚したいのに、結婚しない(結婚できない)理由をたくさん言う人がいるのですが、これは心の底では結婚したくないのです。

・資格試験に合格する

資格試験に合格するのは、ゴールではなくスタートですよね。大学入学を目指して受験するのと、入学した大学でどんなことを学んで、知識を得るのか?では、人生に違いが出ると思いませんか。

資格試験に合格した先の、なりたい姿を具体的に書き出してみてください。