摂食障害の闇から抜け出すきっかけは◯◯だと思わないこと

脱!摂食障害カウンセラーの三上 さくらです。

この記事を読んでいるということは、あなたが摂食障害で苦しみ、悩み、自分ではどうにもならない…と闇の中を彷徨っているのだと思います。

もう何年も「摂食障害とお別れしたい!」と強く願って「でも過食がやめられない」とゴールの見えない迷路にハマっている、もしくは立ち止まっている、そんな状況でしょうか。

私もずっとそうでしたから、お気持ちが痛いほど分かります。

私自身、食べ物を一切口にせず、水しか飲まず、激しい運動を続けたこともあります。お腹がはち切れそうなのに、菓子パンやパスタ、カップ麺を詰め込んでいた時期もあります。中でも、太るのが怖くて食べたものを吐き出す習慣は、まさに地獄のようでした。

今、思い出しても胸が苦しくなります。

いつまで経っても治せないことにイライラして、焦って、その不安を過食で紛らわす。自分の意志では止めることのできない負のスパイラルに心が折れてしまった時もあります。

そして克服した今となって分かったこと。

それは、摂食障害の闇から抜け出すきっかけは自分を不幸だと思わないことです。

はじめに

なぜ、こんなに異常な食生活になってしまったのか?

食べ物を粗末にしている自分が許せなくて、責め続け、泣き続け、それでも止められない…そんな葛藤の日々に疲れ切っていました。

何とか治したくて必死にもがいて、挫折して、罪悪感でいっぱいになって、自信をなくして、そんな自分が大嫌いでたまらない。。それなのに何をどうしていいかの分からない。想像もつかない。こんな生き地獄もう耐えられない。地獄から這い上がりたい。もっと幸せになりたい。

そんなことばかり永遠と考えていたのです。

心の叫び

もう治らない…と思っていても、
それでも何とか治したい!
こんな心の叫びを抱えていました。

しかしながら、こんなにも治したいのに何をしていいのか、誰に相談していいのか分からず、途方に暮れる毎日。

最悪なことに、治したいと強く願う気持ちとは裏腹に正反対の行動ばかりを繰り返してしまう。

大量の食べ物を胃に詰め込み、喉から血が出るまで、胃酸が出るまで嘔吐する。まるで義務になってしまったかのように、毎日同じ行動を繰り返す。自分の時間とお金を全て過食嘔吐に費やしてしまう。

このエンドレスの闇は、私をダークサイドから抜け出すことを許してくれない。

もう治らない。
何度もそう思いました。

摂食障害に関する書籍を読み漁り、ネットの情報を調べて、克服した方のブログを見る。

でも、きっと私は治らない。
ずっとそう思っていました。

あなたもそう思っていませんか?

私は治らない。

呪いの呪文を言い続けていませんか?

回復の途中では、必ず挫折します。その時、一番大切なことは「諦めないこと」です。

そして、摂食障害だからといって、全てが悪いことだけではありません。

摂食障害にハマる理由

摂食障害の沼に飲み込まれた状態では、絶対に幸せではない。という考えが常に私を支配していました。

だって、普通の食生活が送れていないのです。

世の中には、美味しいものを食べただけで幸せになれる人がいる。
毎日大好きなラーメンを食べてレポートして、お金を稼いでいる人がいる。
ケーキバイキングを自分へのご褒美にして、平日の仕事を頑張っている人がいる。
ご当地グルメの紹介されている雑誌、料理のレシピ本などを楽しめる人がいる。
誕生日や記念日に、ちょっとリッチなレストランを予約して、素敵なディナーを満喫する。

そんな普通の喜びを感じることができない私は、絶対に不幸だ!と決めつけていました。

 

でもね、全てが不幸ではないはずなのです。

 

だって、摂食障害にもメリットがあるから。

食べることによって、
・一時的ではあるが満たされた気分になる
・イライラしたことを忘れることができる
・痩せた体型を維持することができる
など。

これらのことを求めていたら、たまたま過食嘔吐に出会ってしまった。

スポーツをしたり、旅行に行ったり、映画を観たり、他の気分転換方法もある中で、即効性があって、食べ物を買うだけで簡単にやることができる。ちょっといいかもしれない。そんなふうに思ったからやっているのではないでしょうか。

だから「過食嘔吐が趣味なってしまって…もし摂食障害が治ったら、私のストレス発散はどうしたらいいのでしょうか?」という質問が多のだと思います。

実際に私も趣味でした。

まだ摂食障害の症状を軽視していたこと、どれだけ大量に食べるか?どれだけスマートに吐くか?どれだけ他人にバレないか?どれだけ体重が減るか?など、ちょっとした楽しみになってしまっていたのです。

本当の楽しみとは

さて、あなたにとっての最高の楽しみはなんでしょうか?

一時的に満たされた気分になることでしょうか?
仕事や日常のイライラを一時的に忘れることでしょうか?
苦しみながら痩せた体型を維持することでしょうか?

最高の楽しみ、本当の幸せとは、

常に満たされた気持ちで、
仕事や日常のストレス無く、
食べることが苦しみでなく、
食べること以外の趣味があり、
毎日たくさん笑っていること

ではないでしょうか?

楽しみは本人によって違いますし、幸せの定義も人ぞれぞれです。

私は心から笑えると楽しい。楽しいと幸せだなぁ〜と思ったのです。

幸せの定義付け

ちょっと「幸せの定義」について考えてみます。

私は摂食障害中になる前からネガティブ思考の人間でした。

なぜなら、常に最低のことを想定しておけば、何かあっても耐えられる!と考えていたからです。

ずっと自分のことが大嫌いだったため、綺麗な女優さんを見ると嫉妬で狂いそうになるので、テレビは見ませんでした。スタイル抜群のモデルさんを見ると自分の醜さを痛感するので、雑誌も見ません。

ひたすら自分の殻に閉じこもって、自分を全否定することしかできませんでした。

そんな状態が何年も続きました。

そんなある日のこと。自分より恵まれない人が目に入ったのです。

なぜ、私よりも大変そうな環境でそんなに元気に振る舞えるのか?ご家族が亡くなった方や母子家庭で家事ばかりやっている友達、父親の借金で必死にバイトをしている同級生など。

なぜ、私よりも太っているのにそんなに楽しそうにしているのか?女性お笑い芸人、男子より身体の大きな同級生、パワフルで小太りの親戚のおばさん、ぽっちゃりサイズの友達など。

どんな環境だったら幸せなのか?
どれだけ痩せたら幸せなのか?
ひたすら自問自答しました。

自分の理想の環境だったら…
自分の理想の体重だったら…

私は本当に幸せなのか?

もっと、もっと、もっと。
と、追求しないだろうか?

そもそも、私にとっても幸せとは何だろうか?
「痩せること=幸せ」だろうか?

 

ずっとこの答えを探していました。そして、最近になってやっと言語化することができてきました。

私にとって「幸せ」とは、脳と心と身体が健康で、毎日を丁寧に暮らすことです。

 

自分を不幸だと思っている方へ

あなたにとっての「幸せ」とは何ですか?

一時的に満たされた気分になること、仕事や日常のイライラを一時的に忘れること、苦しみながら痩せた体型を維持することでしょうか?

もしそうだとしたら、摂食障害を無理にやめる必要はありません。だって、あなたが望んでいるのですから。

でも、心の底では分かっていると思います。
頭の中では理解していると思います。

一時的な感情では、本当の幸せとは言えないことを。

 

今は自分の行動が異常だから不幸だと決めつけているだけなのです。

さいごに

自分の幸せを知らないのに、幸せにはなれません。自分なりの「幸せ」を知っていると、摂食障害克服への近道になります。

今は摂食障害と闘っているから幸せではない、と思っているかもしれませんが、摂食障害中でも楽しいことってあると思います。

・ドキドキするようなドラマを見た
・キュンとする少女漫画を読んだ
・お笑い芸人のネタを見て大笑いした
・映画で感動して涙がでた
・小説を読んで衝撃の結末に驚いた
・カラオケで大声を出した
・誕生日プレゼントをもらった
・仕事で「ありがとう」と言われた
・ディズニーランドを満喫した

本当にあなたは不幸ですか?

白黒思考になって、摂食障害=不幸だと勝手に定義付けしていませんか?

よく考えてみれば、たくさんの楽しみや小さな幸せが転がっているのに、白と黒しかない世界では、見つけられません。

まずは、摂食障害だから全てのことが上手くいかないという否定的な感情を見直してみてください。

そして、摂食障害だけど幸せな時もあるよな〜ということを思い出してください。

できたら日々の生活の中で、毎日探してください。

 

摂食障害克服のきっかけは、自分が幸せであると気付くことなのです。