過食嘔吐で破産しそうです。私も万引きするかもしれません。

脱!摂食障害カウンセラーの三上さくらです。

この記事は、元女子マラソン日本代表の原裕美子被告のニュースを見て、

「自分もこのようなことを起こしてしまうかもしれない…」
「過食する食材に対してお金を払っていることがバカバカしい…」

というご相談が多かったので書きました。

私にとっても、他人事とは思えない衝撃的な出来事でした。

はじめに

以下のニュースをご存知でしょうか。

12月3日、執行猶予期間中の万引で、窃盗罪に問われていた元女子マラソン日本代表の原裕美子被告に対し、前橋地裁太田支部で再度の執行猶予を付けた「懲役1年、保護観察付き執行猶予4年」の判決が言い渡された。

原被告は記者会見をはじめ、複数のメディアで、現在の心境や、自身が窃盗症(クレプトマニア)であることを明かしたうえで、更生を誓っている。もし、これが、社会的な繋がりが構築され、孤独ではないことや家族のサポートを含めた安定した治療環境があること、精神・身体的に回復傾向にあることに裏づけられているとしたら、何よりである。

参照元:https://ironna.jp/article/11379

「過食嘔吐で破産しそう」
「私もいつか万引きするかもしれません」
「ニュースを見るたびに怖くなります」
「元アスリートで自己管理できる人なのに…」

現在、摂食障害の方から、このような不安を抱えている声が毎日のように届きます。

怖いですよね。

摂食障害の頃の私も、お金の悩みを抱えていましたし、過食用の食材を買い込むことに罪悪感がありました。さらに嘔吐期は、この無意味な行動をしている自分に絶望する日々を過ごしていました。

破産寸前だった頃

実家で過食することが苦痛だった私は、念願の一人暮らしをしました。

しかしながら、自由に過食できる環境になったため、酷い時は1日に6回ほどの過食嘔吐を繰り返していました。

家にあるものを詰め込んで吐き出してから、次の過食用食材を買いにスーパーへ出かける。

食べ終わって、もう終わり!と思ったのに、足りなくてコンビニへ。

お金の無駄!時間も無駄!バカみたい!どうせ吐くのに!万引きしてもいいじゃん!

このような思考がグルグルと私を蝕んでいきました。

わざと捕まりたい

悪いことをして逮捕されたら、今より普通の食生活が送れるかもしれない。
刑務所の食事は質素で理想的な食事らしい。それしか食べられなければ、過食できない。

わざと捕まろうか。。

 

年末年始を暖かい場所で迎えたいホームレスの方は、わざと悪いことをして警察へ行くそうです。
入院して食事管理されるより、刑務所で完全に監視してもらったほうがいいかもしれない。

私も捕まろうか。。

 

何度もこのような考えに飲み込まれそうになりました。

本心ではない

万引きがしたいわけではない。
わざと捕まりたいわけでもない。

ただ、普通に食べて、普通の生活がしたい、幸せになりたい。

こっちが本心でした。

 

でも、摂食障害の闇を彷徨っている時は、正常な判断が難しいことがあります。

冷静に考えたら分かっていることなのに。
頭では分かりきっていることなのに。

でも、過食が止まらない。

 

この生活から抜け出すことができるのなら、

「悪魔にも魂を売る」

そんなことばかり考えていたので、すぐに解放されたい一心で歪んだ道を探してしまうのです。

時間がかかっても治す

トップアスリートでさえ、一度支配されると抜け出せない闇。それが摂食障害です。

精神論ではどうにもならない。

「どうしてそんなに食べるの?」
「吐くなら食べなきゃ良いのに」

と、誰かに言われる度に、

そんなことは自分が一番分かってる!!!
それができないから苦しいの。情けないの。
他のことなら、そこそこ出来るのに。頑張ってるのに。これだけはどうにも出来ないの。

このような葛藤で狂ってしまいそうでした。

 

でもね、すぐに治そうとするから苦しむのです。

時間をかけて、ゆっくり改善すればいい。

 

今すぐ、理想的な食生活にしようとするから無理が出るのです。

何年かかってもいいから、健康的な食事習慣を身につければいい。

 

完璧なライフスタイルを目指すから、できないギャップにイライラするのです。

一日に一個でも新しいことにチャレンジしたら、
一年後には356個のノウハウがたまります。

できないことより、できることを探せばいいのです。

さいごに

この記事を読んでいるということは、おそらく精神的にギリギリのところにいるのだと思います。

今までの無駄な時間を取り戻そうと、必死になって情報収集しているかもしれません。

 

残念ながら、今すぐ、この瞬間に、摂食障害を完全に無効化することは出来ません。

 

どうか焦らないでください。

ある程度の時間をかければ、ちゃんと治ります。

 

今とは違う習慣を身に付けるためには、習慣から変えるのではなく、根本にある考え方から変える必要があります。

 

大丈夫。

ちゃんと変わりますよ。

私が変わることができたのです。
私が特別なわけではありません。