
脱!摂食障害カウンセラーの三上さくらです。
最近、お金に関するご相談がとても多いです。お金に関することは…
お金を払ってまで治す気がありません。
毎日過食用の食べ物を買ってしまい、とうとう貯金にまで手を出してしまいました。このお金がなくなったら万引きをしてしまうのかも…
治すために、あらゆるセッションやカウンセリングを受けました。もうこれ以上、お金を使いたくありません。
私も長い摂食障害人生の中で、何度お金の恐怖に出会ったか分かりません。摂食障害さえ治れば、こんなことにならなかったのに!摂食障害にさえならなければ、こんな苦しまなかったのに!毎日毎日、不安と葛藤と挫折で泣いていました。
ひとつひとつのご相談について、私が思っていることを書きますね。
お金を払ってまで…
治す気がありません。
おそらく疲れ切ってしまったのでしょうね。
もう何をやっても治らない…
きっと私は死ぬまで摂食障害なんだ…
この闇から抜け出すことはできない…
このような考えが染み付いてしまい、すでに諦めモードになっているのだと思います。私も藻掻き続けて、もう流されてしまったほうが楽なのでは?と思っていました。
でもね、
もう何をやっても治らない…
きっと私は死ぬまで摂食障害なんだ…
この闇から抜け出すことはできない…
と決めつけないでください。
自分の潜在意識にこのようなネガティブな思考を植え付けてしまうと、どんどん改善から遠ざかってしまいます。
私が治っているのです。まだ試していないことがあるかもしれません。死ぬまでチャレンジしたら、いつか突破口が見つかるかもしれません。
そして、闇と光は表裏一体。光があるから、闇が存在しています。少しでも光に目を向けてください。光とは、摂食障害を克服している人間がいるということです。
毎日過食用の食べ物を買ってしまい…
とうとう貯金にまで手を出してしまいました。このお金がなくなったら万引きをしてしまうのかも…
食費の出費が収入をはるかに上回ってしまい、万引きをして捕まる方がいるのは事実です。彼女たちは、刑務所の中で完全に管理された食事をして、常に監視されている状況。つまり過食嘔吐をするスキがありません。
これって、ある意味とても安心できるかもしれません。
だって過食嘔吐ができない環境だからです。
私も摂食障害だった頃、入院して無理矢理でも治したほうがいいのかもしれない…でも、入院費が払えないから、罪を犯して刑務所に入ったほうがいいのかもしれない…という妄想に駆られました。
「もし貯金がなくなったら、もう過食嘔吐しないかもしれない」という気持ちと、「それでもやっぱり過食嘔吐したくて罪を犯すかもしれない」という気持ちに散々振り回されました。
このような不安定な気持ちでは、治るものも治りません。
お金の心配を解決するための、一番シンプルな方法は分かっていますよね?頭の中では知っていますよね?
それは、過食嘔吐をやめることです。
だから過食嘔吐をやめるために出来ることは?摂食障害に振り回されない生活をするためには?ということにフォーカスしてください。
そして摂食障害が治ったら、今まで過食嘔吐に費やしていた(溝に捨てていたような)お金を何に使おうか?どんな楽しいことに使おうか?と、ポジティブに考えてみてください。
お金の心配をすると、そのことばかりが気になってしまいます。
お金の楽しい使い方を考える努力をしてみてください。
治すために、あらゆるセッションや…
カウンセリングを受けました。もうこれ以上、お金を使いたくありません。
世の中には、あらゆるセッションやカウンセリングがあります。ネットで検索して、ここなら治るかもしれない!この人なら分かってくれるかもしれない!と僅かな希望を求めて、必死に探したのだと思います。
それでも治らない…
この人なら治ると思ったのに…
もう誰も信じられない…
こんなふうに感じてしまったのだと思います。
私は、恥ずかしくて誰にも相談ができませんでした。ですから、摂食障害を治すためにセッションやカウンセリングは受けたことがありません。
その代わり私は、あらゆる資格を取得しました。資格マニアになって、あらゆる資格取得に夢中になりました。費用が10万円以上の速読法、15万円の食事療法、18万円の心理学系講座、30万円の言語化プログラム、50万円のダイエット塾、同じく50万円の思考術、60万円のマインドを変える講座、同じく60万円ほどの能力アップ、90万円ほどの自己啓発系講座、10万円以下のセミナーは数え切れません。
自分を変えたくて必死でした。
それなのに過食嘔吐する費用は増えるばかり。
もともと何かを学ぶことが好きな性格だとは思いますが、膨大な費用と、そして時間をかけてしまいました。
当時は仕事をしていましたが、それだけでは払い切れません。ローンも組んだし、借金もしたし、それでも治らない。絶望的でした。
少しでも希望が見えそうなものを見つけると藁にもすがる思いで飛びつきました。
それでも治らない。
こんなに勉強しているのに!
こんなに努力しているのに!
こんなに逃げ回っているのに!
どうして過食嘔吐してしまうの?
そんな自分に失望するばかり。完全に悪循環でした。
過食嘔吐にかかる費用
一番酷い生活サイクルは、平日1~2回の過食嘔吐、休日はだらだらと5~6回の過食嘔吐をしていました。
ある時、自分がどれだけ無駄なお金を使っているか計算してみました。1日当たり1,000円計算で、1年間365日継続していたので年365,000円。
15年間だらだらと過食嘔吐を繰り返していたので、お金に換算してみると5,475,000円。酷い時は5,000円くらいだったので、それ以上の金額をトイレに流していたのです。途中の数年間はアルコールに溺れていたので、アルコール代も馬鹿になりません。もう考えるのも嫌になります。
いったい私は何をしてるのだろう?
後悔しかありません。
それでも自分の意志では止められませんでした。愚かなことだと分かっているのに止められないのです。こんな恐ろしいことってありません。
遠回りしないために
今となっては、全資格の知識のおかげで治ったのかもしれません。が、あまりにも長い時間を無駄に過ごしてしまいました。
本当はもっと早く治したかった。もっと早く抜け出したかった。
そして気が付いたのです。私が遠回りをしてしまった理由を。
私は常に一人でした。
私のメソッドで摂食障害から卒業した方が、私のことを最強のセコンドと表現してくれました。(彼女は摂食障害歴23年間。1ヶ月という稀に見るスピードで克服宣言をしました!)
もしスポーツの指導者(コーチ)やアドバイザーみたいな存在がいたら、15年も苦しまなかっただろうな〜と今になって思います。
一人だと同じところを何度も彷徨っていたり、いつも同じところで挫折してしまったり、立ち止まった時どこに行ったらいいか分からないのです。
さいごに
摂食障害を治すための方法は一つではないと思います。
どうしても相性ってあります。今の卒業生を見ても、私が作った思考を変えるマニュアルがハマった方もいるし、実際にお会いしてお話した方もいます。
もちろん私以外の方法で克服する方もいます。
これ以上、苦しまないために、
自分の時間を何に使うか?
何にお金を払うのか?
その選択をするのは本人次第です。
「変わりたい!」と口で言うのは簡単です。
心の底から変わりたい!と切望している人は見極めることが可能です。摂食障害じゃない人でも変身願望はありますが、実際に変わる人と変われない人の違いは、やるかやらないかでしかありません。誰かに勧められて物事をスタートすると、苦しくなった時に誰かのせいにしてしまいます。
どうかご自分で判断してください。