太るのが怖くて過食嘔吐がやめられない方へ

脱!摂食障害カウンセラーの三上 さくらです。

摂食障害は長いクネクネ道で、精神的に安定している時もあれば、不安定な時もあります。治ると希望を持つ時もあれば、絶望的な気持ちになることもあります。

私もこの波に何度も流されそうになりました。

そして、回復の途中では必ず、やらないと気持ちが悪い状態が何度も襲ってきます。

その不快な感情は摂食障害が改善している証拠です。しかしながら、その不快な感情を乗り越えられず、過食嘔吐生活に逆戻りもしました。


本日は、そんな生活を繰り返している方に、私がどうやって乗り越えたのかをお伝えしようと思います。

はじめに

過食嘔吐なんてもうやめたい!と決意をして、
・過食しないように努力する
・嘔吐しないように努力する
多くの方が経験したと思います。

せっかく頑張ろうとしているのに、なかなかすぐには止まらないのが摂食障害の恐ろしいところ。何度も不快感が襲ってきますよね。

私もそうでした。

摂食障害行動をやらないのですから、何となく気持ちが悪いです。
過食をしなくなるので、なんだか物足りない気持ちになります。
食べ物を吐かなくなるので、身体が重くて不愉快な気分になります。

ここを乗り越えることが想像以上に大変なことなのです!

実際に、多くのクライアントさんが乗り越えることを諦めてしまいます。ひとりでは挫折してしまうのも仕方ありません。

私が15年間も摂食障害に振り回されてしまった原因は、挫折に耐えられず、浮上するまでの時間がかかってしまったからだと思います。

誰かに支えてもらったり、アドバイスしてもらったり、今まで以上のエネルギーを注力したり、固定化された習慣を変えることは、とても大変なことなのです。

「やっぱりダメだ…」と絶望的な気持ちになる前に、せっかく改善していた状態から諦めてしまわないために。

回復途中の挫折は当たり前です。

どうか、諦めないでください。

この状態を抜け出せば、摂食障害克服は目の前です。

もう二度と摂食障害に振り回されないために。

目指すべき点

まず、摂食障害克服のゴールは何だと思いますか?

摂食障害中に私が目指したゴール(目指すべき点)は、「もう私は克服した!」と胸を張って言えることでした。

私の考える克服した状態とは、
・食べることが怖くない=好きなモノを食べられる
・体型・体重(数字)に支配されない
・健康的な生活を維持する努力をしている
この3点です。

そのため、摂食障害に似ている行動(※下部参照)が現れたとしても、前向きに捉えることができて健康的な暮らしを意識して、
「もう食に振り回されていない!私は食をコントロールできている!」と感じた時点で克服したことにしました。

それは、食と自分との関係性を正常に戻してあげることでした。

今まで食に支配されていた生活を自分が主人公のシナリオに書き直すイメージです。

摂食障害に似ている行動

摂食障害に似ている行動には、暴飲暴食、断食、下剤を飲む、嘔吐などがあります。これらの行動は摂食障害だからするのではありません。一般の人だとしても多々ある行動なのです。

暴飲暴食

ストレス発散のために、お酒をたくさん飲んだり、スイーツを食べたりすることは普通です。むしろ摂食障害ではない人の方がセーブできていないと思います。
摂食障害で悩んでいる方のほうが、よっぽど自制できる人間です。ですから、我慢の限界を超えて摂食障害になってしまうのです。

もし暴飲暴食してしまっても、必要以上に深刻になる必要はありません。(私はとてもお酒を飲むので、自分に言い聞かせています。笑)

そんなに深刻なことだったら、この世界に食べ放題・飲み放題が存在するはずがないのです。

もしできたら、他のストレス発散法を見つけられるといいと思いますが。

断食

拒食ではなく意図的な活動としての断食は、健康法の一つとしても人気ですので試してみてもいいと思います。私も断食道場に参加したことがありますが、摂食障害が治ってからのほうがオススメです。摂食障害中は、他人に食事管理をされているような気がして、とても耐えられませんでした。(途中で逃げ出した劣等生です。笑)

摂食障害を治そう!と覚悟を決めたクライアントさんの中で「1日3食バランス良く食事をしなければならない!」と思い込んでいる方がとても多くてビックリします。

個人的には食欲がない時には、無理に食べません。あったかいお茶を飲んで過ごす日もありますので、ご自分の体と相談しながらやってみてくださいね。

下剤を飲む

昔、強烈な腹痛で救急病院に運ばれたことがあるのですが…その理由が頑固な便秘でした。恥。。

もちろん食事や運動で腸内環境を改善できれば良かったのですが、とても時間がかかります。さらに便秘が理由で救急車を呼ぶことは、とても恥ずかしいことです。

そのため年に5回くらいですが、危険だと感じたら下剤を使うことがあります。便秘にお悩みの方は、上手に取り入れてみてください。

摂取したものを出すための薬ではなく、健康を維持するための薬ですので、お間違いなく!

嘔吐

異物を吐き出す行為は、生命維持のために必要な時もあります。

過食嘔吐が落ち着いてきたころに菓子パンを食べて嘔吐したことがあります。やっぱり治ってない…でも、本当に気持ちが悪かったの…激しく葛藤しました。

その夜、同じ菓子パンを食べた主人が、下痢で苦しみ、翌日に病院に言ったら食中毒だったそうです。

なんと、菓子パンの賞味期限が切れていたのです!そういえばクリームが酸っぱかった!気持ち悪いと感じた時、すぐに吐き出したのは正解だった!と思いました。

嘔吐することが「悪」だと思い込んでいたことに気が付いた瞬間でした。

摂食障害思考に振り回された嘔吐ではなく、自分の命を守るための行動だってあるのです。

また過度のアルコール摂取による嘔吐は、一般の人でも多々あります。

安い居酒屋チェーン店のトイレをご存知でしょうか。大学生と思われる若い子たちが便器を抱えて寝ていることがあります。

お酒はほどほどに。

ちなみに食に支配されない思考を手に入れると、お酒もコントロールできるようになりますのでご安心を。

あ、私はたまにやらかします(笑)

もしお酒の失敗があったとしても悩み過ぎませんように。これは自分自身に言い聞かせている言葉でした。

はじめの一歩

さて、実際問題として「何を食べたらいいか分からない」という方もいます。

私自身も食事をコーディネートできるようになる日が来るまで、「何を食べていいのか、どう行動したらいいか、見当もつかない…」という状況でした。あらゆる方法を試した私が、これは回復途中に役に立った!という本をご紹介します。

当時の私は、幕内秀夫先生の『粗食のすすめ』という本を何度も読んでいました。

“毎日がクリスマスのように豊かな食生活“という見出しに衝撃を受けた記憶があります。

ハンバーグ、パスタ、オムライス、カレー、焼肉、カツ丼、ラーメンなど「毎日のように食べてたら、太るに決まってるじゃん!」と思っていたので、はじめて自分の考えが肯定された気持ちでした。

「いつも豪華な食事を食べる必要なんてないんだ~」と、ホッとしたのです。

そして、過食嘔吐しなかった食事が、ほぼ粗食でした。

それでも過食してしまいそうで怖い方は、お味噌汁からはじめてみるのがオススメです。わかめ、豆腐、お麩、ねぎのお味噌汁。大根と油揚げ、ニラと卵、豚汁など、どんどん具だくさんにしてみてください!

ある日突然、摂食障害は治りません。だんだんと脳と心と身体を馴染ませるイメージです。

思考を変えてください。

そもそも、なぜ太るのが怖いのでしょうか?

そりゃ、歩行できないほど太ったら怖いと思います。私は、自分の体重のせいで両足を疲労骨折した女ですが、それはそれは不便な生活でした。

でも、太るのが怖い!と思い込んでいるだけではないでしょうか?

治したい気持ちと痩せたい気持ちは表裏一体。どちらにフォーカスするかによって、あなたの人生が決まるのです。

あなたは何を求めますか?

ちなみに、摂食障害を治したい!過食嘔吐を止めたい!という願望はお勧めしません。なぜなら、その発想自体が摂食障害に縛られているからです。

摂食障害を治すために、何かをするのではありません。何かをするために、摂食障害を治すのです。

治してから正常な思考で減量をするのは自由です。
治してから健全な思考で身体を絞るのも自由です。

そこに気が付いてください。

まとめ

まず、
・過食しないように努力する
・嘔吐しないように努力する
という発想自体が、摂食障害に振り回されている状態です。

もっと先のゴールを見つめてください。

私の考えるゴール、克服した状態とは、
・食べることが怖くない=好きなモノを食べられる
・体型・体重(数字)に支配されない
・健康的な生活を維持する努力をしている
この3点です。

そして、食事をコーディネートできるようになる日が来るまで、お味噌汁や粗食などからスタートしてみてください。

私と出会ったことでなるかもしれない!という希望を持っていただくのは大変有難いのですが…

そんなことで治るくらいなら、とっくに治っていると思われます。

 

全ては、あなた次第なのです。