摂食障害の娘を持つ方にどうしても知ってもらいたいこと

脱!摂食障害カウンセラーの三上 さくらです。

このページを見ているということは、あなたの大切な方が摂食障害で苦しんでいるということだと思います。

極端なダイエットかもしれません。
無理な食事制限かもしれません。

でも、摂食障害という言葉を知ってからは、これは摂食障害なのでは?と思うようになりました。

私自身は15年間、摂食障害(過食嘔吐)に苦しみ、両親にも言えず、友達にも言えず、病院にも行けず、悶々と葛藤の日々を送っておりました。

誰にも言えなかったのです。

だって、この世には食べ物に飢えている子供がいるのに。餓死する人がいるのに、私は食べられない。食べて吐いている。

戦後を知らない子供。当時の苦しみを知らない世代です。おばあちゃん世代からしたら、なんて愚かな行動でしょうか。

こんな恥ずかしい自分を誰かに言えるはずがありません。

私の振返り

私、本当は良い子なんです。

絵に描いたような優等生だったんです。

成績だって悪くありませんでした。

それなのに、自分の食事コントロールすらできない劣等生になってしまったのです。

今思えば、とても恵まれた環境にいました。

会社員の父は、お休みの日には必ずお出かけをする人でした。いろいろなところに連れて行ってもらいました。海や山、温泉旅行や遊園地など。アクティブでサービス精神旺盛な父が大好きでした。

専業主婦の母は明るくキュートな人です。勉強しなさい!と言われた記憶がありません。たくさん遊んで帰ってくると、美味しそうなご飯が並ぶ食卓。幸せな家庭を絵に描いたような家でした。

そう、私は幸せ者なのです。

それなのに…どうして、この私が摂食障害なんて…

痩せたい。
もっと細くなりたい。。

この気持ちだけは、本人にしか理解されないかもしれません。この段階では、どうして吐いてしまうのか?もう自分でも分からないのです。

対応について

もし摂食障害の方がお近くにいて、私のブログにたどり着いたのだとしたら、どうか普通に接してあげてください。可哀想な目で見ないでください。特別扱いしないでください

私は家族に気付かれないように、近所のコンビニのトイレに駆け込んだり、親が寝静まってからお風呂で吐いたりしました。食後のトイレは、大便のためと嘘をついていました。

もしかしたら、気付いていたのかもしれません。

でも、こんな異常な私を知られたら死んでしまう…

ずっと、そう思っていました。

求めていること

もし本人が助けを求めてきたら、どうしてそんなことをするのか質問するより、あなたが知っている限りの癒しの言葉をかけてあげてください。

・愛している
・あなたが生まれてきて良かった
・いてくれるだけで有り難い

一言でもいいのです。

本人は辛くて、苦しくて、恥ずかしくて、耐えられなくて、どうしてこうなってしまったのか分からなくて、後悔ばかりで、泣いてばかりで、人生を諦めてしまって、幸せになりたくて、とにかくいっぱいいっぱいで、必死なのです。

「全力でサポートするよ!」と言われても困惑してしまいます。私が病院に行けなかった最大の理由は、誰かの負担になりたくなかったからです。

だって、ママとパパの期待を裏切りたくなかったから。

学校も部活も受験もママとパパを喜ばせたかったから。

愛されたかったから。

愛されているのは分かっていたけど、褒めてほしかったから。

もっと褒めてほしかっただけなの。

私からのお願いです。

どうか心からのお願いです。

重大事件のように扱わないでください。何事もないかのように接してください。摂食障害だろうとなかろうと、あなたを愛している!と伝えてください。

私はママとパパに愛されていました。でも、もっと頑張らないとダメだと思っていました。

もっと、もっと、今よりもっと。自分で自分を追い詰めていました。

 

でも、やっぱり心配ですよね。

私も、摂食障害で苦しんでいる方が心配でたまりませんが、腫れ物に触るような態度だと余計に傷つくのです。摂食障害の方は周囲の人々の視線や心の動きに敏感です。ダークサイドの自分を隠そうと必死なので、どうしても人を疑ってしまうのです。

ですから、どうか近づきすぎない愛情を注いでください。知っている限りの癒しの言葉を与えてください。そして、本人以上に治ることを信じてください。

心の叫び

ママ、ごめんね。

私、摂食障害なの。

今まで隠しててごめん。

でも、言えなかったの。

だって、恥ずかしいもん。

私、ずっと頑張ってたのに。
なんでこんなことになっちゃったの?

私、いい子にしてたよ!

私、学校でも部活でも生徒会でも
めっちゃ頑張ってたのに!

どうして、こんな生活…

ママ、助けてよ。
苦しいよ。

ホントは言いたいよ、
でも、恥ずかしいの。

言えないよ。

だって、ママの求めている
私じゃないんだもん。

ごめんなさい。

こんなことになって
ごめんなさい。

私を嫌わないで。

お願いだから、
嫌いにならないで。

パパに言わないで。
パパに怒られるから。

お願いだから、言わないで。

でもね、もう苦しいの。
もう辛いの。

どうしても自分じゃ治せないの。

助けて。

お願い。

ママ、助けて。

もうこんな生活、嫌だよ。

これが私の心の叫びです。少しでも思い当たることがあったら、どうか私の言葉を信じてください。

許して…

あなたの大切な人が摂食障害から開放されるために、どうか私の話しを聞いてください。

本人が一番苦しいのです。

親の期待を背負って、もっと褒めてほしくて、もっと愛されたくて。その状態が摂食障害を引き起こしていることがあります。

私には、6歳下の弟がいます。
弟はとても可愛くて愛していました。

でも…私も愛されたかった。

本当は、もっとワガママを言いたかった。

「お姉ちゃんでしょ」と言われる度に、
よく分からない衝動に子供ながら悩んでいました。

今では、母と月に2〜3回ランチをします。
数ヶ月に1回旅行にも行きます。

母の愛、
両親から与えられる愛に、
やっと大人になって、
摂食障害を克服してから
気が付いたのです。

もっと早く気が付けば良かった…
父が死ぬ前に伝えたかった…
という想いはありますが、今では全てタイミングだったと思います。

 

パパ、ごめんね。

私、自慢できる娘じゃなかったの。
本当は、愚かで最低最悪な子だったの。

 

ごめんね。
こんな娘で、ほんとごめん。

 

それでも愛してくれたかな?

本当のことを知っても、
私を愛せたかな?

もう聞くこともできないよ。
どうしたらいいの?

 

ほんと、ごめんね。

でも、ありがとう。

 

パパの愛情は、
私の求めていた愛情表現とは違ったの。

だから、私、分からなかったの。

全部、私のためだって気付いたのは
30歳を過ぎてからなの。

 

ごめんなさい。

 

こんな娘を許して下さい。

このブログを読んでいるあなたにも
この気持が伝わりますように。

 

さいごに

摂食障害をひとりで乗り越えることは、とてもとても難しいことです。想像を絶する苦しさです。

そのことを知ってほしい訳ではありません。ただ、応援していただきたいのです。

私はプロのダンサー時代に、多くの方に支えられてきました。

ダンスの師匠やコーチ、アドバイスをしてくれる先輩方、体のメンテナンスをしてくれる整体師さん、応援してくださる応援団、ファンの皆様。

摂食障害克服にも、多くのサポーターが必要なのです。

そして、サポーターにとって一番重要なこと。摂食障害を抱えている当時の私が求めていたものは、何だと思いますか?

 

それは、動じないことです。

 

私の行動に一喜一憂しないで、腫れ物に触るようにしないで、ドーンとしている人が欲しかった。

 

家族だと、普通はドーンとできません。

だって心配で仕方ないから。

 

でもね、本人と一緒になっていたら治りません。ウザがられます。

 

まずはあなたがしっかりとしていてください。

そして、本人以上に治ると信じていてください。

 

本人以上に深刻に受け止めている限り、あなたの大切な人は摂食障害から抜け出せません。